No5
26th August 2024
インド料理屋さんに行くと、ラッシーというドリンクを必ず見かける。めちゃくちゃ甘いヨーグルトドリンクである。僕は昔インドに行ったことがある。バラナシという、ガンジス川で有名な街を訪れた際もラッシー屋に行った。そのラッシー屋は、椅子とかが店内にない、いわゆる、テイクアウト専門の店だ。そこのお店のグラスは土器だった。インドでは、結構、土器屋を見かける。薄いオレンジ色の大なり小なりの壺が山積みになっていて、その前でおじさんが土器を作っている。もう店のまわり一体が土器でパンパンなのに、これ以上作ってどうするんだと思うが、おじさんは淡々と作り続けている。
さて、その土器のラッシー屋の話に戻る。そのラッシー屋は結構人気の店らしく、現地の人たちの列と店の前で立って飲む人たちで賑わっている。列に並んで、どんな感じで頼むのかなぁなどと見ていると、飲み終わった人が、その土器のグラスを地面に叩きつけて割った。その後も飲み終わった人たちが続々と、土器を地面に叩きつける。土器は、まさかの使い捨てだったのだ。なるほど、土器だから地面に捨てれば、土に戻るし、コストも高くないのだろう。確かに綺麗な水で洗うのは難しいしめんどくさいから、こっちの方が衛星的かもしれない。いかにもインドっぽい。
昔、小学生の時に、学年の途中で牛乳がビンから紙に変わった。先生にビンの方が繰り返し使えるからエコじゃないんですかって聞いたところ、洗うのに大量の水が必要で、水も汚れるから、紙の方が良いといっていた。これと同じことなのだろう。紙は木を切る必要があるが、土器はただの土なので、土の方が、紙より環境にいいのかもしれない。今、世の中ではプラスチック容器によるゴミが問題になっている。インド人の知恵を活かして、ぜひ土器という選択肢があってもいいんじゃないかと僕は思う。ただ、デメリットとしては、土器を採用すると、店の前や店の床が、土器の破片だらけになるということだ。